飲食店営業許可申請する方法を行政書士がサクッと解説!

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飲食店をはじめる時、必ず必要なのは飲食店営業許可を受ける事です。お店の所在地を管轄する保健所に飲食店営業許可申請を出します。安心・安全な飲食を提供する為に、しっかりお店を作って営業許可を受けましょう。飲食物を提供するお店であれば全てのお店が取得する必要があります。

1.飲食店営業許可申請とは?

2.飲食店営業許可申請の方法

3.飲食店経営で重要な事

自分の作りたいお店のこだわりとは?

1.飲食店営業許可申請とは?

飲食店をはじめる場合、安心・安全な飲食物を提供する為に、飲食店営業許可を取得しなければなりません。不衛生な飲食を提供して大きな事故が起こってしまったら取り返しがつかない場合があります。

それらを未然に防ぐために、安全な飲食物を提供出来る設備や衛生知識がある事を保健所に確認してもらって、問題なければ飲食店をはじめる事が出来ます。

まずは保健所に相談に行こう!

まずはお店を開こうと考えている場所の管轄の保健所に相談にいきましょう。保健所の職員さんはとても親切で、わからない事は丁寧に教えてくれます。なので、疑問に思った事はなんでも質問しましょう。

相談には、お店の施設工事の着工前に、施設の設計図等を持参して行きましょう。その時、飲食店をはじめるために必要な手続など、わからない事を教えてもらいます。

その際、飲食店営業許可申請書とその手引きをもらいましょう。手引きには営業施設の基準などが記載されているので参考にしながら準備を進めていきましょう。

衛生管理や設備を保健所に確認してもらう

飲食を提供する上で重要なのは衛生管理がしっかり出来ているかです。保健所もその事を1番心配しています。飲食店営業許可申請書にはお店の図面を添付します。

図面にはお店の設備や広さを記載します。そして実際に保健所の職員がお店に検査にきて図面通りにお店ができているか確認します。この時、お店の施設が基準に適合していないと許可が下りません。不許可の場合、改善点などを指摘して改めて検査をします。

このように保健所の検査を受けて許可を取得出来れば、施設が基準を満たしている事になるので、お客さんも安心してお店に来てくれるようになります。

飲食店営業許可の図面記載例

飲食店営業許可を取得出来ない人もいる

飲食店をはじめる場合、食品衛生法の規制を受ける事になります。過去に食品衛生法に違反して一定の期間が経過していない人や法人は、許可が受けられない場合があります。

また過去に飲食店営業許可を取得して営業していた人や法人が、なんらかの理由で許可が取り消された場合も一定期間が経過していないと、許可が受けられない場合があります。

しかし、飲食店営業の場合、保健所のある区市町村などが地域の実情に応じて判断する場合もありますので、そのような事情があった場合、保健所に相談する事をお勧めします。

2.飲食店営業許可申請の方法

飲食店営業許可申請書はお店を管轄する保健所に提出します。保健所に相談に行った後、申請書の作成をします。それと平行してお店の施設工事などを行います。

工事が完成する10日くらい前に飲食店営業許可申請書を提出するとよいでしょう。お店が完成したら保健所の職員が基準に合致しているか検査にきます。

検査後に営業許可書が交付されますが、検査から交付まで数日かかりますので申請は余裕をもって行うようにしましょう。

飲食店営業許可に必要な書類

飲食店営業許可に必要な書類は以下です。

  1. 営業許可申請書
  2. 営業設備の大要・配置図
  3. 許可申請書の手数料(1万5千円~2万円、地域によって異なります)
  4. 登記簿謄本(法人の場合のみ)
  5. 水質検査成績書(貯水槽使用水・井戸水使用の場合のみ)
  6. 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

記載する必要のある書類のひな形は保健所からもらえるので、記載例を参考にしながら作成します。一軒家や低いビルの水は水道から直接ひいているので水質検査成績書は不要です。

貯水槽は高層ビルなどで利用されている場合があります。貯水槽の検査は年一回義務づけられているのでビルのオーナーに確認して水質検査成績書を入手しましょう。

飲食店営業に必要な設備の基準

必要な設備の基準は営業許可申請の手引きに記載されています。主に以下の項目にそれぞれ基準があります。

  • 営業施設の構造(場所、建物、面積、天井、内装、明るさ、換気等)
  • 食品取扱い設備(器具等の整備と配置、保管設備、運搬具等)
  • 給水及び汚染処理(給水設備、便所、汚染処理設備、清掃器具の格納設備等)

飲食店営業の場合、さらに以下の項目に基準があります。

  • 冷蔵設備、洗浄設備、給湯設備、客室、客用便所

これら設備の基準は専門的な分野が多いので、わからない事は保健所に聞いて確認するようにしましょう。また、お店の設計は飲食店の建築に詳しい建築士に依頼するのもよいと思います。1つ1つの項目が基準を満たしているかしっかり確認しながらお店作りをしましょう。

食品衛生責任者が必要

飲食店営業許可を受けるにはお店に必ず食品衛生責任者が1名以上いる必要があります。食品衛生責任者とは、栄養士、調理師などの一定の資格をもっている人がなれます。また、それ以外でも食品衛生責任者養成講習会を修了した人がなれます。

この講習会は食品衛生協会が行っていて、1日で修了します。食品衛生責任者の役割は衛生面の管理をしっかりして食中毒や食品衛生法違反をしないようにする事です。

申請時に食品衛生責任者がいる事が必要ですが、もし、いない場合は後日講習を受ける事を申請時に約束する必要があります。

3.飲食店経営で重要な事

飲食店経営で成功させるには、難しい事を考える必要はありません。美味しい食事を作って提供する、という当たり前の事を継続する事が基本です。継続して商売を行っていく精神的な持続も大事なので、自分がくじけないでやっていける環境も重要になってきます。

そして儲けを出そうと考えたら客の回転率を上げなければいけません。その場合、出来るだけ速く多くの食事を提供する必要があります。まず基本的な事として経営者のやる気、体力、行動力が重要になってきます。

多角的な要素が成功の秘訣

成功の秘訣は1つの要因だけではないということです。よく「お店の立地が良ければもっと繁盛するのに」と思う飲食店の店主はいます。しかし、仮にお店の立地が良くても失敗する人は多いです。立地は悪いよりは良い方がいいのですが、それだけでは駄目だという事です。

接客サービス、料理の美味しさ、お店の宣伝、店内の雰囲気など、これらはどれも重要な要素で最低限経営者が責任をもってやらなければいけないことです。もしお客の入りが少なければ、お店の前に立ってチラシを配るなど、簡単だけど骨の折れる事を積極的にやっていかなければ、お客さんは来てくれません。

これはどんな商売にも共通して言える事ですが、当たり前の事を継続してやっていく事で少しずつ知名度が上がって客がつくようになります。なので、特別難しい事を考えるよりも、簡単にできる事を継続して行く事が大事なのではないかと思います。その意味でも体力や行動力が重要になってきます。

コストを意識しつつ行動力を持つ

そして経営者であれば、最低限のコストを常に意識しておきましょう。自分で出来る事はなるべく自分でやるようにすれば、それだけコストがかかりません。ちょっと自分が努力すれば削れるコストならば、自分でやるべきでしょう。

しかし、なんでも自分だけでやると負担が大きくなりすぎます。そのあたりのバランスを考え自分でやる事と、他人に任せることの選別をしっかりしましょう。

お店の開店当初はまだ従業員はいない場合もあります。その時は外注する事も考えます。コスト意識とは、自分でやる事と外注する事をうまく振り分けて、財務体質を良くする事です。

自分の作りたいお店のこだわりとは?

今までに述べてきた経営者としての最低限の努力とコスト意識を持ちながら、自分のこだわりを大事にしましょう。こだわりはお店の個性のようなものです。そのこだわりが一定のお客さんに受け入れられるようになれば、継続してお店に来てくれるようになります。

こだわりが全てのお客さんに受け入れられるとは限りませんが、ある一定の人達に認められれば売上が安定してくる可能性は大きいです。そこから少しずつ試行錯誤して、様々な面を良くしていけば、より売上を伸ばしていく事ができるでしょう。

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