特定技能所属機関による協力確認書の提出等について
「特定技能」は、2019年に創設された外国人のための在留資格で、日本で一定の技能を持つ外国人が働くことを目的とした制度です。その中で、外国人を雇用する受け入れ機関(企業など)には、法令遵守や支援体制の整備が求められます。その一環として必要になるのが、「協力確認書」の提出です。
1.協力確認書とは?
2.地方自治体(市区町村)に提出が必要になった
3.なぜ協力確認書の提出が必要なのか?
協力確認書は共生社会実現の第一歩
1.協力確認書とは?
協力確認書とは、特定技能外国人を受け入れる企業(所属機関)が、地方自治体に対して地域との共生に協力する姿勢を示すために提出する書類です。
外国人の就労・生活状況を自治体が把握し、適切な支援を行うために活用されます。
協力確認書に記載する主な内容
協力確認書には、特定技能外国人の氏名や在留カード番号、受け入れ先事業所の名称・所在地、担当者情報、活動内容、就労状況などが記載されます。
また、地域との共生支援に関する取り組み状況や、外国人の住居地、生活支援体制についても報告します。
これにより、地方自治体が必要な支援を把握し、受け入れ環境の整備や共生施策の実施に役立てることができます。正確で誠実な記載が求められます。

協力確認書の提出が必要な場面
協力確認書の提出が必要となるのは、特定技能外国人を新たに受け入れる場合や、在留資格の変更・更新申請を行う際です。
特に2025年4月以降は、既に受け入れている外国人についても、初回の申請時に提出が求められます。
また、受け入れ企業の所在地や外国人の住居地が変更となった場合や、転職・退職などで別の自治体に移る際にも、改めて提出が必要です。
自治体が支援を適切に行うための重要な手続きです。
協力確認書の提出先と方法
協力確認書は、特定技能外国人が活動する事業所の所在地および外国人の住居地に該当する市区町村へ提出する必要があります。
事業所と住居地が異なる場合は、それぞれの自治体に提出が求められます。
提出方法は自治体によって異なり、郵送・窓口持参・FAX・オンラインフォームなどが用意されていることがあります。
提出前には、各市区町村の公式サイトで最新の提出方法や提出先を必ず確認することが大切です。
2.地方自治体(市区町村)に提出が必要になった
2025年4月1日施行の制度改正により、特定技能所属機関は、外国人労働者の受け入れに際して、地域社会との共生を図るため、地方自治体の共生施策への協力が求められるようになりました。
今後、特定技能外国人のより一層の増加が見込まれることを踏まえ、特定技能所属機関が地域における外国人との共生社会の実現のため寄与する責務があることが主な理由です。

協力確認書の提出が必要なタイミング
以下の場合に、協力確認書の提出が必要です。
- 初めて特定技能外国人を受け入れる場合:
特定技能雇用契約を締結後、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行う前 - 既に特定技能外国人を受け入れている場合:
2025年4月1日以降、初めて当該外国人に係る在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請を行う前
協力確認書の提出先
協力確認書は、受け入れる特定技能外国人が活動する事業所の所在地および住居地が属する市区町村のそれぞれに提出する必要があります。
- 事業所と住居地が同一の市区町村にある場合:その市区町村に対して1通提出
- 事業所と住居地が異なる市区町村にある場合:それぞれの市区町村に対して提出
以下の場合には、協力確認書の再提出が必要です
- 特定技能外国人が異なる市区町村に転出する場合
- 特定技能外国人を受け入れる事業所の所在地や住居地、特定技能所属機関の担当者連絡先等に変更が生じた場合
提出方法は市区町村によって異なりますが、郵送、窓口への持参、FAX、オンライン申請システムなどがあります。
提出方法は市区町村によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。

3.なぜ協力確認書の提出が必要なのか?
協力確認書の提出は、特定技能外国人の受け入れに際し、地域社会との円滑な共生を図るために必要です。
地方自治体が外国人住民への支援体制を把握・整備するため、所属機関からの情報提供が求められています。
地域社会との共生を支える重要な役割
協力確認書は、特定技能外国人と地域住民が円滑に共生するための基盤づくりにおいて重要な役割を担っています。
自治体はこの書類を通じて、外国人の生活状況や支援体制を把握し、地域に合った支援策や多文化共生の取り組みを検討・実施することができます。
受け入れ企業が責任を持って情報提供を行うことで、外国人が安心して働き、暮らせる環境づくりが促進され、地域全体の安定にもつながります。
自治体による支援体制の整備に必要
協力確認書の提出は、自治体が特定技能外国人に対する支援体制を整備するために欠かせません。
提出された情報をもとに、自治体は外国人の生活実態や就労状況を把握し、必要な支援策や相談窓口の設置、地域の多文化共生促進策を計画・実施します。
これにより、外国人が安心して生活できる環境が整い、地域社会全体の調和と発展につながるのです。
正確な情報提供が、効果的な支援体制の基盤となります。

制度の透明性と信頼性を確保するため
協力確認書の提出は、特定技能制度の透明性と信頼性を高めるために欠かせません。
所属機関から正確な情報が提供されることで、不正な受け入れや労働環境の悪化を防止し、公正な制度運用が実現します。
また、自治体や関係機関が適切な監督や支援を行いやすくなり、外国人労働者の権利保護や安全な労働環境の確保にもつながります。
これにより、社会全体の信頼を得ることができるのです。
協力確認書は共生社会実現の第一歩
協力確認書の提出は、特定技能外国人と地域社会が安心して共生するための重要な第一歩です。
これにより自治体は外国人の生活状況を把握し、適切な支援や環境整備を進めることができます。
日本で暮らす外国人にとって、就労環境だけでなく生活環境の支援まで幅広いきめこまかい対応が必要です。
正確な提出と継続的な情報共有が重要
協力確認書は、正確かつ迅速に提出することが制度運用の基本です。
不備や遅延があると、外国人の適切な支援が遅れ、トラブルや誤解を招く恐れがあります。
また、転職や住所変更などの状況変化に応じて、継続的に情報を更新し共有することが求められます。
所属機関と自治体が密に連携し、常に最新の情報を提供することで、外国人の安心した生活と円滑な地域共生が実現します。