宅建免許申請の方法を行政書士がサクッと解説!

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不動産屋をはじめるには免許が必要です。不動産屋は全て、宅地建物取引業(宅建)の免許を取得して土地、建物の仲介や売買をしています。免許取得の要件など細かな規定は各都道府県庁のホームページから手引きをダウンロードして確認出来ます。公正で誠実な土地、建物の取引をする為には必須の免許です。

1.宅地建物取引業免許申請とは?

2.宅建免許申請の方法

3.不動産会社の営業スタイルは様々

不動産業界で生きて行くには

1.宅地建物取引業免許申請とは?

宅地建物取引業(宅建業)をするには免許が必要です。宅建業は土地又は建物の取引の売買、仲介に関わる事業です。

今住んでいる賃貸マンションを契約する時、不動産屋に行って物件を探したと思います。そして家主の許可を得て契約をして住めるようになります。その一連の手続を仲介するのが宅建業者です。

賃貸マンションに入居する際お世話になります

宅地建物取引業とは?

一口に宅建業と言っても様々な形があります。主に他人の不動産の売買や賃貸の仲介を行う場合と、自己の不動産の売買を行う場合があります。自己所有の不動産の賃貸は宅建業に該当しません。

一般的によく知られている駅前にある不動産屋は主に賃貸物件の仲介をしています。特に小規模で地域に密着した不動産屋は、その周辺地域の物件についてよく知っているので、顧客にとっては掘り出し物のような良い物件が見つかったりします。

不動産業界は意外と奥が深く、会社の規模が大きいだけでは必ずしも顧客の利益に繋がらない場合もあります。扱う不動産の種類によってターゲットにする顧客も変わってくるので、小規模でも地域の情報や人脈に精通している業者が有利になる事があります。

土地又は建物の取引には宅建免許が必要

宅建免許が必要な不動産取引は他人の土地又は建物の売買・賃貸の仲介、また自己所有の土地又は建物の売買です。自己物件の賃貸は宅建業ではなく不動産賃貸業になります。また、仲介した賃貸物件の管理まで行っている不動産屋もあります。これは不動産管理業になります。

これらは密接に関連しているので不動産屋は仲介だけでなく、不動産賃貸業と不動産管理業も兼業している事が多いです。宅建免許を取得して宅地建物取引業協会(宅建協会)などに加入すると、物件に関する情報や人脈が手に入りやすくなります。

宅建協会には自己物件がある会員もたくさんいるので、このような人と知り合いになって、不動産の仲介や管理を任される事があります。

宅建免許を受けるための主な要件

免許の区分は大きく2つに分かれます。事務所が2つ以上の都道府県にある場合は国土交通大臣免許を取得します。事務所が1つの都道府県にある場合はその都道府県知事免許を取得します。そして事務所には最低1名以上、宅地建物取引士が常勤していなければいけません。

また欠格事由の制度があり、免許を受けようとする者(法人の場合その役員)が一定の宅建業法に違反していた場合、一定の刑罰を受けて一定期間経過していない場合、免許の申請が拒否される場合があります。

事務所の形態にも細かな基準があるので、申請の時にそれらの基準を満たしている証拠として事務所の写真を添付する事が求められます。

2.宅建免許申請の方法

初めて宅建免許の申請をする場合、事務所が1つの知事免許を取得する事業者がほとんどです。事務所のある都道府県庁に申請書類を提出します。

免許を取得した後、宅建業をするには営業保証金を事務所のある都道府県の供託所に供託しなければなりません。営業保証金は1000万円と高額で、用意出来ない人がいるので、宅地建物取引業保証協会に加入すれば営業保証金を供託しなくても良いことになっています。

宅建免許申請に必要な書類

必要書類は法人の役員(個人の場合その事業主)と専任の取引士が欠格事由に該当していない事を示す証明書です。身分証明書、登記されていないことの証明書などを役所で取得します。

他に重要なのは事務所の設置基準が要件を満たしているかです。事務所の全景、入り口、ポストなどの外観の他、事務所内の隅々を写真に撮って申請書に添付します。

新規で免許を取得する際は過去の実績を証明する資料は必要ないので更新申請よりも比較的必要書類は少なくなります。納税証明書の提出は不要で、宅地建物取引業経歴書もほとんど記入する箇所はありません。決算書の提出も新設会社の場合、開始貸借対照表で代用出来ます。

宅建免許申請する前に準備しておく事

専任の取引士が事務所に1名以上常勤している事が必要なので、必ず要件を満たしている人を準備しなければなりません。新規で免許取得する場合、代表者自身が取引士の資格を持っていて要件をみたしている場合が多いです。

また、事務所には電話、FAX、パソコン、プリンターなど業務を行う上で必要な事務機器を準備しておきましょう。申請書に添付する写真にそれらの事務機器が写っていないと、事務所の実体が疑われて申請が拒否される場合がありますので注意しましょう。

事務所と認められる細かな基準は各都道府県庁の手引きに記載があるので参考にしましょう。

宅地建物取引士が各事務所に1以上必要

専任の取引士になるには宅地建物取引士資格試験に合格して取引士資格登録をしていなければなりません。専任の取引士は常勤であり専従の従業員でなければなりません。

取引士登録をすると勤務先名を記載する欄があります。新規で免許申請をする際は、この欄が空欄である必要があります。専任の取引士になる予定の者が申請時点で他の会社に所属していては専従の従業員と認められません。

宅建免許取得後に勤務先を今回申請した事業者に変更登録申請して勤務先を登録する事になります。

3.不動産会社の営業スタイルは様々

駅前でよく見かける不動産屋だけでなく、マンションの一室など目立たない場所で営業している不動産屋も沢山あります。また、自宅の一室で事務所だけ構えて営業している宅建業者もあります。

営業スタイルによってそのような形でも十分、宅建業を行っていけるのが不動産業界の面白いところです。

地域密着型の賃貸物件の仲介がメインの不動産会社

一般的によくイメージするのが駅前にある不動産屋です。このような会社は主に賃貸物件の仲介をメインにしています。マンションやアパートなどの物件の案内をお店の前に張り出して引っ越しを考えている人に物件を紹介して、その仲介手数料で売上を上げています。

独り暮らしの人が物件を探す時、必ずしも大手の不動産屋が良いとは限りません。小規模でも地域密着型で近所の物件を沢山扱っている業者もあります。このような会社の方が、お金が無くてそんなに良い物件には住めないけど、自分が納得出来る物件に住みたい、と考えている人にはよいかもしれません。

条件は人それぞれなので地域を限定した小規模事業者の方が意外と見つけやすい場合があります。

ターゲットを限定した営業スタイルの不動産会社

世の中には様々な境遇の人がいて、一般的な不動産屋では物件が探しにくい人もいます。例えば、最近まで路上生活をしていて、お金もあまりない人だと、普通に不動産屋に行ってもなかなか住居が決まらない事があります。

そのような人向けに、入居しやすい物件ばかりを取り扱っている業者があります。そういう業者はあまり人目に付きにくいマンションなどで営業している事があります。反対にお金があって割と高額な物件を探している人もいます。

仕事の関係で海外転勤するので海外で住居を見つけたいと考えている人もいます。それぞれのニーズに合わせて独自の営業スタイルをしている不動産屋は意外と多くあります。

自己物件の取引をする為に免許を取得する不動産会社

自分で土地や建物をいくつか所有しているので、それらの物件を活用するために宅建免許を取得している業者もあります。先祖をたどると、その地域の有力者や地主だったりするパターンが多いです。

自己物件の賃貸は宅建業には該当しませんが、宅建協会などに加入して人脈ができれば、自己物件を誰か別の業者に仲介してもらう事が出来ます。よい不動産が見つかれば管理までしてもらう事が出来るので、自己物件を安全に利用して収益を上げる事が出来ます。

不動産業界で生きて行くには

まず不動産会社に就職する所から始まります。現場で実務経験を積んで仕事を覚えましょう。実務経験は多いほど実力が付くのはどこの業界でも同じです。

不動産取引とはどういうものなのか?といった基本的な事から、就職した会社によって異なる営業スタイルなど、勉強になることはたくさんあります。

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仕事を覚えて独立するのは比較的短期間で出来る

不動産取引の実務は実はそれほど難しいものではありません。ポイントさえ分かれば比較的短期間で仕事を覚える事が出来るでしょう。

登記や税金、その他の法律的な事は専門家に依頼すればよいことです。営業スタイルや経営など、独立してもやっていける自信が持てたら比較的早く独立する事も可能です。実際に、独立する際に多額の資金が必要ないので、日本には小規模の宅建業者がたくさんあります。

独立して才覚があれば大きな利益を上げられる事も不動産業界の魅力の1つでしょう。

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